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Marcel Gascoin / Model “C”Chair

フランスのミッドセンチュリーデザイナーマルセル・ガスコアン(1907~1986)による1942年デザインの椅子、モデルCチェアです。

一見地味で素朴なデザインですが、細部まで考え抜かれたデザインが素晴らしく、見ていて一切の違和感を感じる事のないデザイナーのこだわりが行き届いた素晴らしい椅子です。どの角度から見ても美しく、その佇まいには安心感すら感じます。

脚の形状や素材、椅子のパーツ構成はこの時代のフレンチデザインを踏襲していますが座面の置き方などに個性があります。

Cチェアには座面、背面がプライウッドや藤で作られたものが存在しますがこちらのストロー(い草)で張られたものは当時、受注によるオーダー製作販売しかされておらず、数が少ないため貴重です。

また、座面を支える後ろ側のアーチが2つに分かれている初期に作られたものの為、合わせて希少です。(初期版以降は後ろのアーチが一本のパーツになります。)

コレクターの方にもインテリアの一環として自信を持っておすすめしたい、フレンチミッドセンチュリーのなかでもとても”らしい”、優れたデザインの椅子です。

もちろん実用性があります。座面、背面の角度がなんとも具合よく、温かみのある素材感そのままの安心感のある座り心地です。ダイニングテーブルやデスクに合わせるのがおすすめです。

 

マルセル・ガスコアンはフランスのデザインアーティスト集団、UAMメンバーの1人で、そのメンバーはコルビュジェやジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアンなどフレンチモダンを語る上で絶対にはずす事のできないそうそうたるメンバーでした。

UAMは、当時アールデコが主流だったフランスのデザイン界の流れを断ち、モダンデザインを世に送り出したアーティスト集団です。
彼のデザインは木材を多用した温かみのある、実用性に富みながらもデザイン性が高い家具やインテリアデザインが特徴で、残したアイテムはフランス本国で大変人気があり、なかなか見つけられない希少性の高いものとなっています。
 ピエール・ガリッシュの師にあたり、他にも多くのデザイナーを育てました。
そのため、フレンチミッドセンチュリーのデザイナーのなかでも大変重要な人物にあたります。
時を経て、実用性をそこなわず現代に残る温かみのある椅子。
そのデザインに古臭さは無く、置くだけで当時のデザイナーの目指した新しいデザインの流れが目に浮かびます。とてもとても素敵な椅子。オーク材+ストロー。構造確認後この椅子の持つ風合いをそこなわないリペアにとどめています。
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