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Maurice Pre / Dining Chair B

フランスのインテリア・家具デザイナーであったモーリス・プレ(1907~1988)により1950年代にデザインされたアーム付ダイニングチェアです。

モダンでエレガント。美しくバランスのとれた個性的なデザインが目を惹く存在感のある椅子。1930年代には家具デザイナーとしてのキャリアをスタートしていた彼らしく、アール・デコからの流れも感じるデザイン性の高い椅子です。

機能性を含むデザインに見所が多く、背貫からそのまま伸びたアーム部、コンパス状の脚上部は座面から飛び出し、腰掛けた際に椅子を楽に引けるハンドルの役割を果たします。座枠と背柱は一体となっており、少ないパーツ数で機能性と強度を損なわず、なおかつ強い存在感のある美しいデザインを両立させたミッドセンチュリーデザインらしさを感じられる優れたデザインと機能性の共存した椅子です。

掛け心地は大変優れており、座面中央部が膨らんでいるのは、ダイニングチェアの座面には珍しい内部のスプリングによるもの。腰掛けると程よい反発で沈み込み、長時間座っても疲れることのない掛け心地です。深く腰掛けると体がぴったりと収まり、背もたれに背骨が吸い付くような感覚はぜひ一度実際に座って試して頂きたいもの。サイズの座面高は座面先端部の高さを表記しています。

フレームはビーチ材。ダークブラウン塗装。座面、背もたれのファブリック、内部のスプリングを覆うウレタン交換済み。フレームに傷や擦れはほぼ無く、とても良いコンディションです。ぐらつき等はございません。コンディションについてご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

Maurice Pré (モーリス・プレ 1907~1988)

1907年パリで生まれたモーリス・プレは1924年より8年間、パリのエコール・ブールにて建築と内装装飾を学びました。卒業後スイスに赴き、ジュネーブ出身の著名な建築家、Aiphonse Laverrièreのプロジェクトに参加。 1934年にパリに戻った彼はスイスでの経験、実績を買われフランスの建築家 Pierre Patout、Jean Démaret、Alfred Porteneuveらと共に仕事をしています。
1935年からは独立し、1937年開催の国際展覧会での室内装飾の出展、サロン・ドートンヌ(1903年より毎年パリで開催されている美術展)でのアートマネージャーを務めます。その後戦争により一時活動を停止しますが、活動再開と共に様々な分野のアーティストによる協会、U.A.D.C.E. ( Union des artistes décorateurs, créateurs, ensembliers)の設立に参加しています。

他にも1901年設立のSAD(Societé des artistes décorateurs コンテンポラリー・アーティスト協会。1940年代から1960年代にかけて、ルネ・ガブリエル、ジャック・アドネ、エティエンヌ・アンリ・マルタン、ジョセフ・アンドレ・モットら錚々たるデザイナーが協会長を務める。)のメンバーであり、 1947年にはナンシーのフランス国立美術学校で教授に任命されています。

モーリス・プレはフランス、スイス、イタリア、アメリカなど多くの公共施設のインテリアデザインを手がけました。エリゼ宮(パリ市内にある宮殿。現在のフランス大統領官邸)の内装、家具デザインを担当。

自らの手がける仕事に一切の妥協はなく、家具はもちろんカーペットから照明器具、装飾品としての陶磁器にまで強いこだわりをもち、必要であれば自らが描いた絵画をインテリアに使うなど、多才であり完璧主義者。自ら手がけるインテリアにおいて、それを使う人に適応することを重視しましたが建築家のデザインを意識した上でモーリス・プレ本人による完全なイニシアチブの元、インテリアデザインが進められていくのが彼のスタイルでした。

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